残暑の「脱水」には要注意…心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなる

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 脱水などで固まりやすくなった血液を俗に「ドロドロ血液」と称することがあるが、正式な医学用語ではなく、医学的には「血液粘度が高い」状態に近い。血液が濃い、血液が脂っぽい、赤血球などが変形しにくい、赤血球や血小板が凝集(集まって固まる)しやすいといった状態を表現したものといえる。生活習慣病があると、血液はこのような状態になりやすい。

「われわれの血液には血漿という液体成分と、赤血球、白血球、血小板といった血球細胞成分があり、赤血球が血球のほとんどを占めます。脱水で血液中の水分が減ると、赤血球数が相対的に多くなるうえ、赤血球の変形能が下がって=硬くなって血液の粘度が高くなります。また、脱水になると、赤血球や出血時に血液を固める働きがある血小板が凝集しやすくなり、赤血球などの血球成分やフィブリノーゲンを取り込んで血栓ができやすくなります。生活習慣病や動脈硬化のある人では特にリスクが高いといえます」

 以前は、冠動脈の硬化が進み、血管内腔が狭くなってから血栓ができると考えられていた。しかし実際は、過半数の患者で冠動脈がそれほど狭くなくとも心筋梗塞が生じていることが分かってきた。血液のドロドロ具合は冠動脈の狭窄(狭さ)の程度と同じくらい重要なリスク要素と考えられているという。

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