避難所の必需品「段ボールベッド」は災害関連死につながる睡眠不足を防ぐ
例えば科学的に想定される「南海トラフ巨大地震」が現実になった場合、静岡県から宮崎県の一部では震度7となるほか、関東から九州にかけての太平洋沿岸に10メートルを超える大津波の襲来が予想されている。
地震発生翌日には最大480万人が避難所に集まるとの予想がある。こうなると、段ボールベッドが被災者全員に行き渡るのはまず不可能だ。
仮に個人で段ボールベッドを購入して備えておくとしたら、いくらかかるのか? 緊急避難段ボールベッドを製造・販売している㈱セイエイドーKVSコーポレーション代表取締役の石毛照夫氏が言う。
「弊社の製品は自治体や企業の備蓄品として導入実績があり、クラフトテープは不要で、マジックテープ接合だけで完成します。ベッドサイズは長さ180センチ、幅90センチ、高さ30センチで、重さは8キロですが、女性でも5分もあれば簡単に組み立てられます」
土台は格子構造で耐久性に優れ、平面耐荷重テストでは7トンをクリア。体重100キロの男性が寝ても大丈夫。費用は税込み1万2760円で、オプションとして寝袋が4400円となるという。
防災は地域や身近にいる人が助け合う「共助」、国や地方自治体などが取り組む「公助」も大切だが、基本は自らの命は自らが守る「自助」であることは忘れてはいけない。