今後胃がんは急速に減り、すい臓がんが増える…最新の人口動態統計で占う
もう1つは家族歴で、家族に膵臓がんの人がいると、その人数が増えるほどリスクが高い。1人は4.5倍ですが、3人以上だと32倍です。
3つ目は膵臓の病気がよくありません。慢性膵炎は13.3~16.2倍で、嚢胞があると3.0~22.5倍に上ります。消化液を十二指腸に分泌する膵管に異常があると、6.4倍です。膵臓の異常を軽視してはいけません。
意外なのは血液型でしょう。米国立がん研究所は医療スタッフ約10万人を8年以上追跡。その結果、O型はA、B、AB型に比べて膵臓がんになりにくいと結論づけました。O型に比べてB型は1.7倍、AB型は1.5倍、A型は1.3倍です。
膵臓の異常を簡便に見つけるのは、腹部エコー検査です。これらのリスクに当てはまる方は、エコー検査を毎年受けるのが無難でしょう。が、肥満の人などはエコーでは見つけにくい。その場合は、CT検査がよいと思います。MRIで胆嚢や胆管、膵管を調べるMRCPもよいでしょう。MRCPは、被曝のリスクがありません。
膵炎や家族歴などから高リスクの人は、超音波内視鏡でしょう。胃カメラの先端に装着したエコー装置で膵臓を調べる検査です。膵臓がんの診断に優れた検査法ですが、これも肥満の人には不向き。その点からも、肥満の人はCTやMRIを受けることをお勧めします。