著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

激しい目の痛みを感じたら…眼圧急上昇の可能性あり

公開日: 更新日:

 眼内の房水と呼ばれる液体が、通常よりも速く生成されたり排出されなかったりすることにより、眼圧が上昇することで起こります。隅角という角膜と虹彩の間の房水の排水口が急に閉塞し、房水が排出されなかったことで急激に眼圧が上がるんですね。

 発作が起こるとすぐに視力が低下します。視界は白っぽくなり激しい目の痛みを感じます。治療をしないまま放置していると、数日で失明に至ることも。一例ですが、長時間のうつぶせ寝や抗コリンを有する風邪薬を飲んだあとに発症する人も多い。

 また、加齢や遠視の方は発症リスクが高まることもわかっています。遠視の方は総じて眼球が小さく、眼球が小さいと隅角も狭いことが多い。隅角が狭いと房水が排出されにくくなるからです。

 急性緑内障発作は発症からできるだけ早く治療することが重要。治療方法は、薬剤や点滴で急激に上昇した眼圧を迅速に下げる。眼圧が下がったら、レーザー虹彩切開術というレーザーを用いた治療を行うことも。片方の目のみ急性緑内障を発症したとしても、予防のために発症していない方の目も後日同様に治療を行うこともあります。

 それほど頻度が高い病気ではありませんが、一度起こすと失明にもつながる。目に強い痛みを感じたなら、まずは疑うべき病気です。

【連載】一生見える目をつくる

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