梅毒の新規感染報告件数…7県がすでに昨年1年間の累積数を上回る
性感染症の専門医で「プライベートケアクリニック東京」新宿院の尾上泰彦院長が言う。
「あくまでも速報値であり、確定値ではないため各種確定統計数字とは異なりますが、今年が残り8週時点で7県が昨年1年間の累積数を上回っているのは憂慮すべき事態です。新規届け出件数は全体のごく一部に過ぎません。しかも大都市に限らず地方に及んでいる。地方ではそもそも梅毒の診断・治療ができる医療施設が少ないため心配です」
地域で気になるのは、広島が大きく減らす一方で、近接する鳥取、島根が増えていること。鳥取県東部圏域では8月31日時点で昨年の報告数を越えている。島根県松江市では第37週(9月9日~15日)時点で越えている。また、広島に隣接する岡山でも新規感染報告者数が急増しており、昨年の累計を越えるのも時間の問題だ。
「九州各県が昨年に比べて減少傾向にあるなか、大分だけが増えているのも気になります。インバウンドと関連付ける向きもありますが、外国人観光客が増えているのは他のエリアも同じですから、よくわかりません」