無理をして帰らなくてよかった…俳優の小堀正博さんギラン・バレー症候群との苦闘
食事は鼻からの経管栄養。朝と昼は2時間、夜は4時間かかるのでつらかった。ICUで氷を食べた時、うれしくて泣きました。「口から物を食べるってこんなだったなぁ」と感動したのです。
4月12日から自発呼吸の練習として、昼間だけ喉に開けた穴に蓋をして、その間だけ声を取り戻しました。でも夜は相変わらず人工呼吸器です。
呼吸なんて、生まれた瞬間からやってきたことなのに、初めは意識しないとできませんでした。ボーッとしていると息をするのを忘れて、機械がピーピーと鳴って教えてくれるんです。意識し過ぎると息を吸い過ぎて過呼吸みたいになるし、吸い込むスピードや量、吐き出すタイミングのちょうどいいところが数日間掴めませんでした。当たり前のことが当たり前にできるって、すごくありがたいことだと痛感しました。
口からペースト状のものを食べさせてもらうようになったのは4月25~26日。少しずつ人間らしくなってきました(笑)。
そうは言っても、ようやく深い底辺から脱しただけで、完全に元に戻れることは想像できなかったです。