認知症でリスク増…高齢者の転倒予防で重要なポイントは?
頭部の打撲は、受傷直後の意識障害の危険のほかに、慢性硬膜下血腫では数週間から数カ月後、手足のマヒや歩行障害、思考能力の低下を招く恐れがあります。また、骨がもろい高齢者が転倒した際に腰を打つと、寝たきりのハイリスクとされる「大腿骨頚部骨折」を起こして、認知症を発症させたり進行を速める可能性が高い。
転倒を防ぐ上で最も重要なのが、居間の整理整頓です。新聞や本、衣類などを床に放置せず、すぐに片付ける習慣を身につけましょう。つまずきの原因になりやすい電気コードは、壁に沿わせるか部屋の隅にまとめて配置してください。スリッパの着用は、フローリングの床で滑りやすいだけでなく、かかとが浮いて“すり足歩行”になります。自宅内を安全に移動するためにもスリッパの着用は避け、滑り止め防止機能がついた靴下を着用するのもおすすめです。
それでも、筋力や関節機能の衰えで足元がもつれやすい高齢者は、たった1センチ程度の小さな段差でも足を引っかけやすい。近年は、廊下と部屋の境目にある段差にスロープの設置を行うリフォーム会社も少なくありません。