著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「私が」ではなく「彼・彼女が」…主語を三人称にすればイライラ軽減

公開日: 更新日:

 つまり、三人称で自分を語るだけで自分を客観視でき、感情を抑えられることが示唆されたのです。「三人称」の語彙が持つバイアスを上手に利用した、とても手軽な感情のコントロール方法と言えるでしょう。

 また、モーザーらは、被験者に自分の過去のつらい体験を思い出してもらうという実験も行っているのですが、やはり三人称を主語にして自分を振り返ってもらったグループの方が、感情の抑制効果が見られたといいます。

「自分を三人称で呼ぶことで、自分の体験から心理的に少し距離を取ることができ、感情をコントロールするのに役立つ」とモーザーが説明するように、あえて自分を客観視し、「彼(彼女)が怒っている」と捉え直しをするだけで、怒りを抑制することができるというわけです。

 客観視するのは、フリでも構わないとのこと。三人称で語る際に必要となる労力は、一人称で話すときと変わりません。だから日常でイライラや不満が募るシーンでは、積極的に自分を三人称に置き換えていくと◎。

 例えば、満員電車に乗らなければいけないときなどは、「どうして私がこの電車に乗らないといけないんだろう」と考えるより、「どうして彼(ら)がこの電車に乗らないといけないんだろう」と考えるだけで、イライラした気持ちは少なからず和らぎます。

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