「カロリス食」実践の課題と解決法…マインドフルイーティングとカラフルな食事
前回、長寿に適した食事法として「カロリー・リストリクション(カロリス)」を紹介した。5大栄養素を中心にバランスを確保しながら、毎日の総摂取カロリーを標準の7~8割に制限する食事法だ。これによって、長寿遺伝子がスイッチオンになる。
しかし、カロリスは「言うはやすく、行うは難し」。現代の人は日々多くのストレスにさらされ、食べることでそのストレスを解消して心のバランスを保っている。空腹感に抗い、毎日の総摂取カロリーを標準にするだけでも難しい。ましてその7~8割程度に制限する「カロリス」を始めても、長期間維持できるはずもない。そう考える人も多いだろう。
そもそもストレスを食事で解消する人は、早食いが多い。ストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンが急激に分泌され、空腹感が生じ、高カロリーで甘い食べ物を欲しやすくなる。
また、食事をすると脳内麻薬とも呼ばれるドーパミンが分泌される。その快楽を早く得ようとして早食いになる。
早食いになると食欲を抑えるホルモンであるレプチンの効果が追いつかず、食欲を促進するホルモンであるグレリンの影響が強く出てしまう。結果、食べ過ぎてしまうのだ。