「カロリス食」実践の課題と解決法…マインドフルイーティングとカラフルな食事
「まず、食卓についたら背筋を伸ばして、数回深呼吸をします。このときスマホやテレビは消してください。本や雑誌も閉じましょう。意識を目の前の食事に向け、彩りや香り、食感などを楽しむことに集中します。ひと口につき30回ほど噛みながら、噛むごとに変化する味や食感に意識を向けるのです。食べ物をのみ込むときは、食べ物が食道を通って胃に入っていくのを感じるよう努めます。雑念が浮かんだときは、それを捨て去るイメージを描いて、また意識を食事に戻すようにします」
むろん、カロリスを毎食実行できればいいが、忙しい現代人には難しい。そんな人は、最初の数口だけでも実践すれば、食事による満腹感、満足感を得られるという。
カロリスを行うにあたり、もうひとつの問題は栄養バランスの良い食事をどうやって手にするか、だ。一般家庭では、いちいち栄養士に作ってもらうわけにはいかない。
「ひとつの方法として、彩りの豊かな野菜、多くの食材を使った料理を食べることです。できれば旬のものを選びましょう。異なる色の食材はさまざまな栄養素を含んでいます。例えば、トマトや赤ピーマンなどの赤色の食材はリコピンやビタミンCが豊富で抗酸化作用があります。だいだい色や黄色の野菜はベータカロテンやビタミンAが含まれ、免疫機能を高めます。緑色の野菜は鉄分、カルシウム、ビタミンKなどを供給し、青や紫の野菜はアントシアニンなどが含まれています。魚や肉類もバランスよく食べましょう。それが難しければ、最近は、一日に取るべき日本人の食事摂取基準で設定された複数の栄養素を含む完全栄養食をうたった加工食品が販売されています。こうしたものを時折利用するのもいいかもしれません」(つづく)