どうせなら「公正証書遺言」…事前準備はメールでも進められる
ほか、証人2人へのお礼なども発生するが、手続きそのものはそう難しくない。事前の準備は離れて暮らす子どもたちでも、電話やメールで進めてあげることができるだろう。
注意したいのは地方の公証役場は県内に1~3カ所ほどしかない場合があり、実家近くになかったり、公証人の数が少なく実際の遺言作成まで時間がかかるケースがある点だ。場所によっては他県の公証役場利用が便利なこともある。
遺言者が寝たきりなどで公証役場まで出向けないケースだと、さらに選択肢が狭まる。公正証書遺言の作成は遺言者と公証人が実際に会う必要性があり、出張は管轄区域内に限られるためだ。
そのあたりを理解した上で、親がしっかりした遺言書を作りたいとの希望を持っているなら、道筋をつけかなえてあげるのが親孝行といえよう。
なお、遺言書というと弁護士や司法書士にお願いする方法もある。メリットは確実に効力のある遺言書が作成でき、遺言執行まで一括して任せられるという点だ。土地や建物、預貯金などの財産がたっぷりあるなら、一度相談してみてもいいだろう。費用は公証役場より高額になることは覚悟しておきたい。