一時は絶滅宣言も…ニュージーランドの飛べない鳥「タカへ」が“奇跡の復活”
19世紀末に一度は絶滅が宣言されたニュージーランドに生息する虹色の飛べない鳥「タカヘ」。1948年に再発見され、それ以来、粘り強い保護・繁殖活動が続けられてきた。
そして8月23日、そうした活動が実を結び、ついに18羽のタカヘが南島ワカティプ湖に放たれ、野生に戻された。「奇跡の復活」と話題になっている。
タカヘは全長50~60センチ、体重2~3キロでニワトリくらいの大きさ。先史時代からニュージーランドに生息する固有種で、もともとは肉食哺乳類がいない環境に適応して進化してきた。
しかし欧州人が入植した際、オコジョ、ネコ、フェレット、ネズミなどの動物を持ち込んだことで、壊滅的な打撃を受け、1898年に正式に絶滅が宣言された。
再発見された後は、保護センターで卵の人工孵化(ふか)、飼育が地道に続けられ、2021年には約450羽にまで回復した。
今回の18羽に続き、10月に7羽、来年初めに10羽が野生に返される予定だ。それと同時に外来種の捕食動物の駆除が並行して実施される。タカヘの野生への完全復帰はなるか?