入谷「宝泉湯」手に汗をぬぐいながら7分。滝汗状態でフラッフラ
常連サンとオジサンに優しいバー
昭和の銭湯に別れを告げ、駅方面に歩くと、ほてった体に北風が心地いい。駅まで20歩ほどのところにディープな外観のバー「369(ミロク)」が目に留まった。扉を開けて趣旨を話すと、本来は取材NGながら、OKとのこと。やったぜ、ベイビー!
筋トレが趣味のマスター夫婦が営む、ウエスタン風の店内は、カウンター7席、テーブル1卓。マスターは元デザイナーで、店内の彫刻や木製カウンターまで手掛けたという。気さくなママに迎えられて、カウンター席に腰を下ろす。
ママお手製緑茶ハイ750円を注文。たばこで一服してから、青汁のような液体をグビグビッ。おー、お茶と酒が濃く、のど越しサイコー。
「お通しが毎日替わるから、楽しみなんだ」
隣の常連サンが言う通り、先付けはニラと油揚げの大根おろし和えで酒の肴にバッチリ。料理上手のママはメキシコ料理なども振る舞うそうで、ゴルフ好きとあれば、カウンター越しに楽しい宴が続く。80年代BGMもドンピシャで、初めてでも居心地がよかった。
「常連サンとオジサンに優しい店なのよ」
ママの言葉通り、下町人情にほっこりした夜だった。
(イラスト・文=太田由紀)
■「宝泉湯」
(住)東京都台東区根岸3-14-14
(℡)03・3875・4126
(営)15~24時
(休)月
■「369」
(住)東京都台東区下谷2-15-3
(営)18~24時
(休)日・月