最新研究で判明! “幸福度が高い企業”は社員の95%が月曜日に「出社したくてたまらない」らしい…何が違うの?
「あいさつ」「掃除」「コミュニケーション」
前野氏は日本各地の企業と幸福度の関係についても研究している。どうしたら会社の幸福度は上がるのか。
「まず、『社員が幸せに働けることが会社にとって良いことなんだ』と経営者や社員が気づくことです。つらくて苦しい仕事でも給料のために働くのが日本の常識でしたが、幸福度が高い企業は『従業員を幸せにしたい』という経営者の思いや理念が強く、会社全体にも広がっているのです」
幸福度が高い企業は何が違うのか。まず、その代表として名前が挙がったのは、「かんてんぱぱ」の伊那食品工業(長野県)、ネジ製造の西精工(徳島県)、産業廃棄物処理業の石坂産業(埼玉県)、トヨタ系ディーラーのネッツトヨタ南国(高知県)の4社だ。これらの企業では、「あいさつ」「掃除」「コミュニケーション」の徹底が共通しているそうだ。
「社員が顔を合わせると、目を見て大きな声であいさつします。掃除をみんなで行うので、工場はピカピカ。朝礼は毎日1時間行い、理念の浸透や改善提案など全員で一体化、共有した上で毎日活動しています。その結果、伊那食品工業やネッツトヨタ南国では95%の社員が『月曜日には会社に行きたくてたまらない、早くみんなと一緒に働きたい』という思いですから衝撃的。日本企業でも、こんなことが可能なんです(笑)」
伊那食品工業の社是は「いい会社をつくりましょう たくましく そして やさしく」で、会社の売り上げ目標はナシ。社員が幸せなら結局はちゃんと利益が出るという考え方だ。一人一人が生き生きと働き、自分たちの考える仕事をしてほしいという方針が徹底しているそうだ。
当然、社内のムードはすこぶるいい。学校の文化祭や運動会の準備や遠足前日のワクワク感で働いているような雰囲気だという。
「幸福度が高い企業の社員は“仕事を楽しみ”にしているのです。たとえばネジひとつ作るにしても、『みんなで力を合わせて社会をつくっているんだ』という充実感を持っていると、仕事も生活も楽しくなりますよね。どの会社も私が本で書いてきたようなことが実践され、理論的に明らかになっている幸福行動がすべて定着しているのです」