シェフが故・陳建一氏の店に通って習得した「麻婆豆腐」が絶品! IT企業がつくった“日本一の社員食堂”誕生秘話

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ホテルの四川飯店の味を参考にしようと…

 ルーシーズの設計と運営は牧田氏が連れてきた会社が行うことになりました。しかし、社員食堂の経験はなかったそうです。この会社も規模も知名度も、決して大きくはなかったそうですが、ある部分で功を奏しました。それはスピード感です。

 例えばメニューを決めるための試食会でこんなことがありました。週に一度、 20メニュー以上を用意して、牧田氏やSさんなどが試食し、意見を出し合いブラッシュアップしていくのですが、ある時、試食に出されたポテトサラダを食べながら、牧田氏がどこそこで食べたポテサラがおいしかったと口にしました。牧田氏にとってはイメージを伝えるために何となく口にした一言に過ぎません。しかし翌週の試食会には、それと全く同じポテトサラダが出されました。シェフがすぐに牧田氏の言う店に行き、レシピを聞き出して忠実に再現したのです。それには牧田氏も非常に感動しました。

 この時から、社長の“どこの何がおいしかった”シリーズが始まってしまいました。例えば麻婆豆腐は故陳建一さんの店にシェフが1年近く通い詰め習得しました。この時のことを、ルーシーズ店長のKさんはこう振り返ります。

 「きっかけは、とあるホテルのパーティーで、社長が四川飯店のブースで麻婆豆腐を食べたことでした。その時社長が気づいたのは“うちには麻婆豆腐がない”ということ。本当に純粋な発想で“みんながきっと食べたい”と思い、麻婆豆腐をメニューに加えようと決めたのです。 社長から注文を受けた私たち厨房のスタッフは、最初見よう見まねで作ってみました。初めて作った麻婆豆腐は見た目もおいしそうではなく、実際食べられたものではありませ んでした。何度か試作を重ねたものの、うまくいきません。ついには、めったに文句を言わない社長も“まずい”とズバリ。そこで、社長が絶賛したホテルの四川飯店の味を参考にしようと、厨房のスタッフと一緒に食べに行きました」

 スタッフ4人でその店を訪れ、ビールも頼まずに麻婆豆腐を注文。お店のスタッフは少し困惑していたので、結局、真意を明かし、そのレシピを教えてもらえるか尋ねたという。

「驚いたことに、彼らはすべてのレシピを教えてくれました。当初は感謝の気持ちでしたが、後に彼らの自信に気づきました。一流の味は、方法を知っていても真似できないということを彼らは知っていたのです。そんなある時、陳建一さんの息子さんである陳建太郎さんがルーシーズに来てくれました。非常に気さくな方で、特別に自家製の調味料や麻婆豆腐のセットを持参してくれました。そしてその場で1食分を作り、残りの調味料などを私たちの元に置いていってくれたのです。特に勉強になったのは、IH調理器具への対応です。中華料理は通常、強火での調理が必要とされますが、陳建太郎さんはルーシーズの厨房のIH調理器具に合わせた調理方法も教えてくれました」

 そのノウハウのおかげで、ルーシーズの麻婆豆腐は、お客さんから“変わった?”と聞かれるほど クオリティーが向上したという。 その後も、牧田氏から「あそこの麻婆豆腐がおいしい」と聞けば食べに行き、味に磨きをかけて、独自の味を追求し続けたルーシーズの麻婆豆腐。今では牧田氏だけでなく、社員全員がおすすめする名物メニューになりました。

 1ポンドステーキやカレーなど同様に本格派のメニューをそろえています。ちなみに、ルーシーズが一番力を入れているメニューはご飯です。米は牧田氏の生まれ故郷、新潟県十日町市で取れる魚沼産のコシヒカリ。それを季節に合わせた水加減で、毎回注意深く炊いて いて、夜の会食用に至っては世界一おいしいご飯が炊けると評判の高級炊飯器を使っています。

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