「汚物風船」の中身から見える北朝鮮の生活レベル…なぜ人間の排泄物ではなかった?識者分析
気になる「汚物」の中身だが、紙クズや動物の糞尿などで、人間の排泄物は確認されていない。コリア・レポート編集長の辺真一氏は「風船の中身が北朝鮮の生活レベルを表している」と、こう分析する。
「北朝鮮の農村などでは、人間の糞尿はまだまだ大切な肥料。集団農場から家畜の糞尿を徴集したのでしょう」
韓国との経済格差が広がる中、北朝鮮にとって人糞は貴重な資源。韓国側に渡すわけにいかないのだろう。汚物風船を飛ばすとはバカげた作戦にも思えるが、過熱する半島情勢を考えれば、笑ってばかりもいられない。
「米韓合同軍事演習が活発に行われ、対抗するように北朝鮮もミサイル発射実験を次々に実施。2国間の緊張は非常に高まっています。ミサイルに比べたらまだ可愛い方ですが、『次は生物兵器を風船に載せることもできる』と暗にバイオテロをにおわせ、心理的にも牽制しています。汚物の回収には軍隊が出動し、韓国側に混乱と不安をもたらした。北朝鮮にとって成果は上々でしょう」(辺真一氏)
朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから来月で71年。積年の“においのもと”が取り除かれるのを祈るばかりだ。