コメ不足と価格高騰のナゼ? 在庫過剰と需要減退が常態化していたはずなのに
「インバウンドの影響は微々たるもので、それより東京都や大阪府が非課税世帯や子育て世帯に配布したコメのクーポン券のほうが影響は大きく、これ以降、相場は徐々に上昇。コメ取引の指標となる相対価格(5月)は前年比で12%ほど上がっていますが、卸売業者間でその都度調達し合う際のスポット価格が1.6~1.8倍程度になっているケースもあります」
新米の出荷で、コメ不足は解消されるのか。
「一番早い7月末の新米にすでに買い注文が入っています。通常、新米は早期栽培の産地である鹿児島や宮崎からスタートし、四国、三重の順で出荷され、9月初旬に福井のコメが出てくると価格が落ち着いてきます。今年も猛暑が予想されますが、生育状況が悪いと色形など品質は落ちるものの“日照りに不作なし”と言われるように、量は確保されるはずです。ただ、長雨が続くと収穫量が減る恐れも。令和6年産のおおよその作況は9月下旬にならないと判明しないので、今のところなんとも言えません」
物価が軒並み高騰する中、コメの不足と値上がりが解消されない場合の食卓への影響が懸念されている。