夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」
強制的な制限はダメだけど…1時間が一つの目安
もし"依存"が疑われる場合、親はどう対処すべきなのか。
「親が一方的に制限時間を設けて子供を動画メディアから遠ざけるのは強制・命令です。できれば親子で話し合って、時間を子どもと一緒に決めて約束するのが望ましい。攻防戦になるでしょうが、この過程がとても大切です。目が悪くなる、姿勢が悪くなるよと、親の考えを言いながら、ちゃんと親子で話し合いをすること。もし、約束した時間が守れなくても、次はどうすればいいか、そのときの話し合いをすることも大事です」
親子でじっくり話し合い、“お互いが納得する落としどころ”を探すわけだが、やはり親としては短ければ短い方がいい。しかし、子供側からするとせっかくの夏休みなわけで、YouTubeやゲームを思い切り楽しみにたい。では、実際に何時間ぐらいが適切なのだろうか?
「大体、目安は1時間ですね。子供の年齢や、環境によって違うので一概には言えませんが、1時間を過ぎると成績などへのマイナス影響が大きいという仙台市教育委員会のデータもあります。1時間で一旦切って、少なくとも30分以上は、外で遊んだり、お手伝いをするといったような、他のことに集中することが欠かせません」
山田氏が例に挙げた仙台市教育委員会のデータ(2013年度仙台市標準学力検査等)によると、「2時間以上勉強するが、スマホを4時間以上使用する子供」と、「2時間以上勉強してスマホ使用が1時間以下」の子供を比較したところ、「スマホ1時間以下」のテストの平均点は75点。一方、「スマホ4時間以上」は平均58点と明らかな差がついたという。データが若干古いのと、スマホと動画メディアは同一ではないが、"依存傾向"になると、睡眠時間などが減ることで生活習慣に悪影響が出ることを示しているとのこと。
■約束の時間が来たら自動で電源オフになる工夫を
ただ、親子で「1時間ルール」を決めたとしても、子供を見張るわけにもいかない。無理なく約束事を徹底させる方法はあるだろうか?
「テレビやタブレットに制限時間を設けて、自動で電源オフになるようにして、見られない環境にするのがベストですね。親が強制的に切ると、たとえ約束したとしても悪者になってしまいますので、親が工夫をして環境を整備してあげることが大事です。できれば、時間制限があるということを、子供が理解していればなおさら良いですね。そうすれば、メディアとはこういうもので、自分で自分をコントロールすることができます」
動画メディア漬けから子供を守るためには、親子の会話とコミュニケーションが必須。完璧を目指さず、心づもりだけでもしておくことで、子供を取り巻く環境は改善されるのではないだろうか。