“いいね500件楽勝”の茶飯ボンビー女が化石男子とAIマッチングした話
マッチングアプリ茶飯の多大なる恩恵
学生時代、知り合いから頼まれマッチングアプリにはびこるサクラのアルバイトをしていた。 一般ユーザーに扮してマチアプに登録、運営会社に雇われ、お金をもらう人ってやつです。
筆者は、マッチングアプリの闇を知りつつも「サクラがあまりいない」と言われていたアプリを専門学校1年生の頃に始め、学生時代からずっとボンビーな生活を少しでも潤わせるべく「マッチングアプリ茶飯」をしてきた。
それから数年…。実はフリーランスになってもマッチング茶飯を続けている。それでは、今回のテーマである「化石男性」をたまたま見つけたAIマッチングアプリの話をしよう。
◇ ◇ ◇
今やパパ活でも「茶飯」という言葉が使われている。パパとホテルに行かず、カフェでお茶をするか、レストランでご飯のみをする女性が多用している。
筆者はパパ活をしていたわけではなく、食べるのがとにかく好きで、年上の男性と付き合うことが多かった。年上の男性と出会っただけではお小遣いがもらえるわけではないが、学生だと言えば大抵は良いご飯を奢ってくれた。
茶飯だけして、帰りたくなったらテキトーに理由を付けて帰れば良く、稀に相手がイケメンで話も面白いと思えば、2軒目も行けばいいのだ。
食費は浮くわ、おいしいお店に行けるわで、ボンビーフリーランスにとっては万々歳。マッチングアプリ茶飯は、フリーランス1年目の筆者にも、多大なる恩恵をもたらしている。
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もはやプロのマッチングアプリ茶飯女子に
筆者の場合、体型こそちぐはぐだが顔はそこそこに良いので、マッチングアプリを始めると大体1日で500件ほどの「いいね」は付く。登録から3日も経てば、人気会員になっていて、かなり目立つのが常だ。
つまり、マチアプの男は選びたい放題。興味もない男の顔は飛ばし、年収も低ければ、ハイ、サヨナラ。「いいね」を200件まで絞りこめば、そのうちの100件近くは相手からメッセージが来る。
マッチングアプリでは男側が必死なので、よっぽど気にならない限りはこちらからはメッセージを送らない。1カ月で50件ほどのデートを組めたら豊作だ。
フリーランスデビューしたての頃は、仕事が今以上に少ししかなく、夜は派手な港区パーティーに参加するだけの暇人生活。ガラ空きのスケジュールで、マッチングアプリ茶飯のためにランチ1件、アフタヌーン2件、ディナー1件…と、1日に4件は予定を入れていた。月45人~50人ほどと会える計算だ。
もはや何が仕事なのかわからない。筆者は必然的に、プロのマッチングアプリ茶飯女子になってしまったのだ。
最新のAIマッチングアプリにも手を出してみた
ところで、当初は自分好みの顔、年収、職業などから相手を選んでプロフィールを読み、面倒でもDMで会話をしてから食事を取り付けていた。しかし2カ月もやったら疲れるし飽きた。
筆者は毒舌キャラなところがあり、どうでもいい人に愛想よくふるまうのもめんどいと感じる。
そこでAIマッチングを取り入れてみた。顔の好みや年収、性格などを勝手にマッチさせてデートできる日を選ぶと、勝手にデートの予定場所まで決めておいてくれるのだ。
もし場所の変更があれば前々日くらいからチャット機能が使えるので、場所の希望を伝えて会うだけ。
AIマッチングは、会うまで顔がわからないので会いに行くのに気乗りしないのが難点だし、外れを引けばさらに憂鬱だが、評価システムがあるので愛想が良くないとこちらの評価も落ちる。だからこそ、気合を入れて臨んでみた。
外れを引いたが茶飯に使える男との出会い
まさかの1回目でかなりの外れを引いた。好みの顔とはほど遠く、年収はそこそこ、話もまったく弾まない。三十路にして親が毎月のように家にスキンケア用品を送り、実家にも頻繁に帰っている正真正銘のマザコンだ。
とりあえず近くの寿司屋に入ったのだが、これがもう間違い。男側は勝手に自分に好意があると浮かれているのが見てわかった。
その後3回くらい会ったが、毎回アフタヌーンティーやら焼肉もシャトーブリアンやらが出てくるお店をチョイスしてくるので、ご馳走させていた。なんなら交通費も負担するから会ってほしいと言い出したが、いい加減に気持ち悪いので距離を置くことにした。
しかし…。
1年に1回よみがえる化石男子とは
マッチングアプリで出会った男の中には、頻繁にやり取りをしていないのに、急に慣れ慣れしく「お久しぶりー!」とLINEを入れてくるやつがいる。筆者は彼らを「化石」と読んでいるのだが、このマザコン男は、まさに化石として、1年に一回だけ必ず食事の誘いをしてくるようになった。
ま、手を繋いでくるとかキスをするとかのスキンシップを求めてくることもなく、ただ会ってご飯だけ済ませて帰るから気楽といえば、気楽だ。
とはいえ「この男性は、何のために私に会いに来ているのか? 1年振りに誘っても私がノコノコと会うから、自分にまだ気があるとでも思っているのだろうか?」と疑問に思う。1年に1回蘇ってくる化石は謎すぎるし、AIによるマッチング性能はこの程度なのか…と愕然とする。
AIによって「あなたはこの人と会いますよ」と太鼓判を押された相手が、ただのマザコン化石男子だったことで、筆者のAIへの信頼性は急速に揺らいだのは言うまでもない。
(時短美容協会所属/キャシー)
(時短美容協会/一般社団法人)