赤ちゃんが欲しいなら「AMH検査」…妊娠できる残り時間を推測
将来、妊娠を考えているなら、「AMH検査」のことを知っておいた方がいい。AMHはアンチミューラリアンホルモン(抗ミューラー管ホルモン)の略称になる。絹谷産婦人科(広島県)の絹谷正之院長に話を聞いた。
妊娠はよく知られる通り、卵子と精子の両方が必要だ。卵子の数は決まっており、お母さんのお腹の中にいる胎児の時で最大個の約700万個。出生時に200万個となり、初めて月経を迎えるあたりで30万~50万個。その後月1回の排卵(月経)で約1000個消費され、45歳くらいで数千個となり、1000個を下回ると閉経となる。
「AMHは、発育過程にあるごく初期の卵胞(卵子が入っている袋)から分泌されるホルモンです。少量の血液を採取し、血液中のAMHの量を調べると、卵巣にどれくらいの卵子が残っているかがわかります。卵巣の卵子の数は、卵巣が有する潜在的な卵巣機能の予備力を示すので、AMH検査によって、妊娠ができる残りの時間を推測できます」(絹谷院長=以下同)
年齢を重ねることで女性の妊孕力(妊娠できる能力)が低下していくが、これは加齢で卵子の質が低下していくから。自分の卵子を用いた場合と、提供卵子を用いた場合の胚移植あたりの生産率を比較した研究では、自分の卵子では加齢で低下していくものの、提供卵子では年齢と無関係に高い確率で妊娠・出産することが示されている。