「決断」は嫌々より喜んでするほうが“脳の快感”が増幅するワケ…日々の選択を成功に導く方法

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「服装を決める」「髪型を決める」…無意識に毎日無数の決断をしている

 毎日の小さな決断から、このようなサイクルをつくってみることをおすすめします。たとえば、朝出かけるときに「服装を決める」、「髪型を決める」、「靴を決める」、「駅で階段かエスカレータのどちらを使うか決める」、「電車の中で立っているか座るかを決める」。

 こう考えていくと、わずか1日の間に、あなたは無数の決断をしているのです。

 ということは、「決断できる人」になろうとして、わざわざ決断の機会を増やさなくてもよいのです。だって、すでにたくさんの決断をしているのですから。

 問題は、それらを「決めた」「選んだ」という意識がなく、無意識で行っていることです。これでは、せっかくのドーパミン放出の機会をみすみす逃していることになります。

 このような毎日の小さな決断のときに、先ほどお話しした「決められた!」→「うれしい」というサイクルを意識することです。こうすると、取るに足りないと感じていた小さな決断が、「決める喜び」として脳に刷り込まれていきます。それが成功体験になるのです。

 結果、中くらいの決断も、大きな決断も、スピーディーにできるようになってきます。

 つまり、この流れがドーパミン・コントロールです。

 ドーパミン・コントロールの特徴は、小さな成功を数多く積み重ねるうちに、いつのまにか大きな成功も成し遂げられるようになるという点です。

 だから、自分から見るとどれだけささいな決断でも、「成功体験にカウントしてしまおう!」という、楽観的な姿勢が重要です。

「こんなちっぽけなことで、わざわざ喜ぶなんて」と、自分の成功体験を軽く見積もりすぎることは、とてももったいないことなのです。

「小さな決断をするたびに、わざわざ感情を動かす必要があるのか?」

「うれしいと感じる、なんていちいち面倒」

 そんな声も聞こえてきそうですね。

 でも、脳をうまく手なずけたいとき、感情を発動させることは欠かせません。

「感情的(エモーショナル)であることは、決断の際に不利」

 そう思い込んでいる人も、いるかもしれません。確かに感情が過多になると、決断は進みにくくなるでしょう。しかし、適度の感情の働きは、意思決定をする際に欠かせないことが明らかになっています。

▽菅原道仁(すがわら・みちひと) 脳神経外科医。1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞などの緊急脳疾患を専門として国立国際医療研究センターに勤務。2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の八王子市・北原国際病院に15年間勤務し、日々緊急対応に明け暮れる。その後、2015年6月に菅原脳神経外科クリニック(東京都八王子市)、2019年10月に菅原クリニック 東京脳ドック(港区・赤坂)を開院。その診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする医療を行う。『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)、『成功する人は心配性』(かんき出版)、『成功の食事法』(ポプラ社)など著書多数。

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