北の大地で桜締め
幌萌町の大桜は樹齢210年以上、高さ16メートルで胆振地方最古かつ最大級のエゾヤマザクラ。老木ゆえ最近は半分ほどの開花でも、地元の有志によって夜間ライトアップが行われ、イベントも開催される。
室蘭八幡宮は室蘭気象台の標本木となるソメイヨシノのほか、エゾヤマザクラなど約300本。
「八幡宮は高台なので室蘭港を望む歴史ある参道を歩きながら花見を楽しめます」(山下さん)
室蘭は縄文、アイヌ、開拓、工業都市などの歴史の一面があり、開拓者たちの警備の拠点であった東蝦夷地南部藩モロラン陣屋跡も桜の名所だ。約1.7ヘクタールの敷地には、ミヤマザクラやヤマザクラなど300本が植えられている。水堀に咲くスイレンの花も見どころだという。
「建物(モロラン陣屋)は現存していませんが、近くに室蘭の郷土史を学べる『室蘭市民俗資料館・とんてん館』(入場無料・開館時間10時~15時半・月曜、祝日の翌日休み)があるので併せて楽しめます」(山下さん)
測量山を桜でいっぱいにしようと毎年植樹を続け、唐松平公園までの道のりは桜ロードとなる。その数、400本近く。ロードの先には、天然の桜も待っている。
「測量山は野鳥観察の場としても有名で、展望台からは室蘭の地形がよく分かるパノラマと桜を俯瞰でき、工業都市と大自然を有する室蘭の両方の顔を同時に楽しめます」(山下さん)
そのほか、室蘭港中央埠頭のエゾヤマザクラや白鳥台北公園のヤエザクラなども地元で人気だ。市内の桜の名所を巡ってみるのも面白い。