2023年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは5代目プリウスに! が、なぜ珍しいのか?
「ハイブリッドはまだまだ使える」という作り手の意思
開発陣は実際に売られるまで心配しっぱなしだったという。だが、振り切ったデザインが予想以上に評価され、5代目プリウスは成功。2023年のデータをみると、販売直後の2月以降は月販10位以下だったが、4月以降はベスト5常連。あんなにペッチャンコな乗用ハッチバックが広くて便利なミニバンより売れているのである。
これはデザインとスポーティな走りにより、「ハイブリッド=燃費はいいけど退屈」というイメージから「カッコ良くて面白い」クルマに生まれ変わったことを意味する。
言わば、「身体にいい健康食品のようなクルマ」ではなくなり、「身体にいいけど個性が強くて面白いクルマ」となったのだ。
同時にこれは、ハイブリッドはまだまだ使える、バッテリーEVに行くまで過渡期の乗り物として有用である! という作り手の意思も込められている。だからこそ日本COTYにも輝いたのだ。過去、ハイブリッドが評価されたのとはまた別の意味合いが含まれているのだ。