著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

「ベネフィット・ワン」めぐる熾烈TOB合戦の行方…「第一生命」「エムスリー」両社の狙いは

公開日: 更新日:

 業界首位に躍り出たのは2021年。旅行大手、JTBの子会社だったJTBベネフィットを150億円で買収してからだ。これにより傘下顧客数は従来の630万人から一気に900万人(現在は950万人)へと拡大。リログループを抜き去った。

■新たなサービス展開へ

 24年3月期の営業利益は新型コロナのワクチン接種関連事業の縮小で98億円と前期比7%の減益となる見通しだが、営業利益率は2割超。好採算性を誇る。エムスリーや第一生命はこうしたベネワンの顧客基盤を生かして「健康経営」やヘルスケアに関する新たなサービスを展開していく腹積もりのようだ。

 今年8月に経済産業省がまとめた企業買収に関する行動指針では、経営陣に対し企業価値の向上に資する案件であれば真摯に検討するよう求める。TOB価格の行方とともに、まずはパソナとベネワン両経営陣の判断が鍵を握る。

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