「たべっ子どうぶつ」の菓子メーカー「ギンビス」 ロングセラーを生み出す秘訣とは
味・品質は社長自らチェック
味や品質を維持するため、工場から毎日、箱詰めされた商品が社長のもとに送られてくるという。「社長は恐らく日本の50代男性の中で一番、『たべっ子どうぶつ』を食べていると自身で言っています(笑)。社長は祖父が創業者だったので、小さいころから食べていたといいます」
味や品質、パッケージへのこだわりはもちろん、柔軟さも欠かさない。
「味や形などに関して、お客さまのアイデアを随時募集しています。例えば、『恐竜の形を作って欲しい』『都道府県の形を作って欲しい』など多数のアイデアをいただいています。『体に優しい』というアイデアで商品化にこぎつけたのが、『全粒粉入りたべっ子どうぶつ』と『厚焼きたべっ子どうぶつSOY』です」
近年では「たべっ子どうぶつ」の関連グッズが若い世代を中心に人気を博している。
「味と品質を変えずに、どのようにしてファンを増やすかを考えた結果、パッケージに描かれているキャラクターを生かすことにしました。18年ごろから、本格的にグッズ展開に力を入れ始め、まず、らいおんくんが着ぐるみに。19年にキャラクターのカプセルトイを販売し始めました」
関連グッズは玩具にとどまらず、衣類や家電など多数に及ぶ。
「あくまでもグッズ展開は、たべっ子どうぶつのお菓子を改めて思い出して召し上がっていただきたいとの思いから始めました。ありがたいことにSNS上で頻繁に投稿・拡散していただくことが増え、お客さま同士のコミュニケーションにつながったり、弊社のX(旧ツイッター)に多数のコメントをいただいたり。ただ、認知度が上がる一方、一過性のブームにしないように心がけています。アンパンマンやドラえもんのように、皆さんに長く愛されるキャラクターにしたいですね」
社員もグッズ展開を楽しんでいる。
「何げない『推し』ができたのも魅力のひとつですね。私はぶたさん推しです(笑)。基本的に『たべっ子どうぶつ バター味』箱のパッケージの表に描かれている9匹(らいおん、きりん、さる、かば、うさぎ、わに、ねこ、ぞう、ひよこ)のグッズが多いので、担当に『ぶたさんのグッズを増やしてください』とお願いしています(笑)」