日経平均4万円! 株価はどこまで上がる? いま買える銘柄は? 株のプロたちが徹底分析
■5~10年後を見据えた投資戦略
ニッセイ基礎研究所主席研究員(チーフ株式ストラテジスト)の井出真吾氏はどちらかといえば慎重な見通し。
「日経平均4万円は、24年度の企業の8%増益をすでに織り込んだ水準です。その意味では上値圏の天井に近いのではと思っています。ただ、マーケットの勢いが行き過ぎると4万2000円に近づくことは否定できません。下値メドは3万7000~3万8000円ですが、長期投資を前提とするなら『買い』です。この先下がったとしても、5~10年後は4万円を維持するでしょう」
■株式分割の三菱重工や川崎汽船は「買い」
ロータス投資研究所代表の中西文行氏は、「短期的な上値メドは4万1000円」と言う。
「3月は年度末で決算が集中しているし、配当取りを狙った買いも増えます。それに、いまはマイナス材料を受け付けない相場。関東近辺で地震が頻発しても、岸田政権の支持率が過去最低でも株価には無関係です。少なくとも3月いっぱいは大幅下落はないでしょう。3月下旬に株式分割をする銘柄がたくさんあります。狙い目は、そのあたりだと思います」
身近なところでは湖池屋や東映、JR東日本、JR西日本、共立メンテナンス(ビジネスホテルのドーミーインなど展開)、川崎汽船など。三菱重工や富士通は1株を10株に分割する。分割後の株高はよくあるケースだけに、買い需要は増えそうだ。
「下値メドは3万2000円。スーパーチューズデー(大統領選の予備選集中日)で共和党のトランプ氏が勝利を収め、その後、何を語るか。とんでもないことを言い出しかねません。株式市場がトランプ氏の“暴言”をどう受け止めるかは分かりませんが、ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦いも含め波乱含みとなりそうです」(中西文行氏)
熱狂する株式市場に冷めた見方があるのは確かだ。だが、加速する株高に乗り遅れまいとする投資家も大勢いる。
89年の史上最高値更新後は、過去のデータが通用しなくなっているとの見方がある。誰も経験したことのない水準に日本株があるのは事実。のるか反るか──。株のプロの分析を参考にして勝負に出てみる?