ASNOVA 上田桂司社長(1)足場レンタル事業で急成長 老朽化マンション“20年後に3.5倍”予測で高需要

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当時は起業をするつもりも、家業を継ぐつもりもなかった

 現在、北陸新幹線の延伸開業に沸く福井県敦賀市。この地に上田氏が生を受けたのは1975年のことだ。70年に敦賀発電所が営業運転を開始した敦賀は原子力発電とともに発展してきた町。建設業の需要が高く、父親も上田氏が生まれて間もなく建設機械のリース・レンタル業を営む「上田建機」を創業した。

「住民からすれば自然に囲まれた穏やかな町で、子どもにとっては海と山が遊び場。海辺で魚を釣り、雪が降れば山でスキーと、小さな頃から自然の中を駆け回っていました。少年野球のチームにも入っていて、とにかく体を動かすことが好きな子どもでした」

 両親は放任主義で、勉強に関しては何も言われなかったと上田氏は振り返る。地元の小学校、中学校でのびのびと過ごし、高校では山岳部に入部。歩行技術や装備、読図などの登山に必要な技術や体力を競う登山競技に取り組んだ。

「興味を持ったことに次々に挑戦して、あっという間の3年間でした。この時に培った体力と根性は今の足場を扱う仕事に生かされていると思います」

 ただ、当時は起業をするつもりも、家業を継ぐつもりもなかったという。両親も上田氏の意思を尊重していて、高校卒業後は名古屋にある大学の商学部に進学。流通や経営について学ぶうちに貿易に興味を持つようになり、主に生活用品を扱う商社に就職した。しかし、入社後、半年ほどが経った時期に、実家の事情で帰郷することとなった。 (つづく)

(ジャーナリスト・中川明紀)

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