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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

スッキリ&ワイルドの新二刀流!一部3ナンバー化の超人気ミニバン新型フリードの期待と心配

公開日: 更新日:

ホンダ フリード(車両価格:未定)

「最高にちょうどいいホンダ!」のCMで有名な人気ミニバン、ホンダ フリードの新型3代目がデビューした。正式発売は6月だが、すでに受注はスタートしている。

 現行フリードは今年8年目を迎え、待望のフルモデルチェンジとなったわけだが、実は今春3月には月販1万台弱で競合トヨタ シエンタを凌駕。全長4.2m前後で5ナンバーの3列コンパクトミニバンはこの2台しかなく、モデル末期でも恐ろしい人気を発揮。それだけに新型にも期待がかかるが、ズバリ注目はその“新二刀流”戦略にある。

 既存の標準モデルは新たに「フリードAIR」と改名、スッキリデザインがさらにスッキリ化。ある意味、兄貴分のステップワゴンと同じシンプルクリーン路線を極めた。同時に現行では追加モデルだったワイルドSUV仕様の「フリードクロスター」も最初から発表。より本格的なアウトドア指向となり、ワイドフェンダーを纏ってついに3ナンバー化。選び幅が増えたのは嬉しいが、このボディ拡大化がどう判断されるかは注目だ。

注目はホンダ流ハイブリッドe:HEVの走りと燃費

 ボディ骨格は基本現行のキャリーオーバー。それだけに室内スペースは大きくは変わってないが、実は新型は既存の1.5ℓ直4ガソリンエンジンの改良版と、フィット譲りの新しい2モーターハイブリッド、e:HEVを搭載。特にこのハイブリッド搭載のためにノーズが約40mm伸び、全長はAIR&クロスター共に伸びて、初の4.2m台を突破した。

 正確には4310mmとなり、これまた競合シエンタより50mm長くなっている。この拡大とクロスターの横幅が少し気になるが、それでもイマドキのコンパクトカーとしては十分小さいため、個人的にはさほど問題にならないと考える。

 それと注目は、やはりホンダ流ハイブリッド、e:HEVの走りと燃費だ。スペックは明かされてないが、フィット同様と考えるとモーターパワー&トルクは123ps&253Nmと十分。1.5ℓガソリンを上回る力持ちなので、走りは良さそう。モード燃費は期待としてはリッター25kmで、競合のトヨタ シエンタには負けるが、そのぶん静かでスムーズな走りが得られ、キモチいいはずだ。

インテリアの質感はリッチ感を発揮

 加えて新型フリードで期待なのがインテリアの質感。シエンタがカジュアルだが質感的には若干イマイチなのに比べ、フリードは従来の質感を強化。まだ全パターンは見れておらず、ウッド調パネルなどがどうかはわからないが、AIRの標準モデルが備えるインパネのファブリックやシートファブリック、皮革素材はなかなかのクオリティー。それほどお金をかけられないコンパクトクラスでありながら、さすがのリッチ感を発揮している。

 プロトタイプに乗ってきた人に聞くと、3列シートの居住性はシート厚を薄くするなどしてスペースを確保。3列目は座面が若干低いようだが、大人が全列に普通に座れるとか。いざとなった時は子供や小柄なお年寄りが3列目に乗ることを考えると、十分な性能だと言える。

 何より割り切りを身上とし、扱いやすさ重視のコンパクトミニバンの世界。クオリティー派のフリードは新二刀流をまとい、魅力をさらに増したというわけだ。後は価格発表と実車試乗を待つだけ。またまたレポートいたします!

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