「マイナ保険証」普及拡大へ支援金倍増でも…現場医師の批判は止まらない
全国の保険医が加盟する全国保険医団体連合会が6月21日に発表した、全国1万件の医療機関への「マイナ保険証による医療現場のトラブル調査」によると、「無効・該当資格なし」と表示された医療機関は66.3%に上った。オンライン資格確認システムの不具合が原因で、保険証原本とオンライン上のデータの相違が多く、数カ月以上反映されていないケースが多発しているのだ。また、マイナンバーカードを読み取る顔認証付きカードリーダーの不具合でマイナ保険証の読み取りができなかったケースが48.4%など、トラブルが止まらない状態が報告されているのである。
マイナ保険証の利用には、オンライン資格確認システム、顔認証カードリーダー、さらには電子カルテもいずれ必要になる。現場の医師が言う。
「こうした機材の導入は現在全て自己負担です。厚労省の支援金で賄える金額ではありません。そこまでするメリットは現場の医師にはありません」
■暗証番号を覚えていない高齢者も
さらに、「現行の健康保険証の資格確認は月に1回ですが、マイナ保険証は受診の都度必要です。また、高齢者は顔認証が難しく、エラーが出れば暗証番号が必要ですが、覚えていない患者が多く、保険証の提示に戻ることが多いんです」。