メルカリは米国市場に見切りをつけるのか? 赤字続きでついに現地で100人レイオフ
メルカリは創業の翌年、14年に早々と米国市場に進出した。だが、「精力的に市場開拓に取り組んだものの、10年経った現在も存在感がほとんど感じられない」(メガバンク幹部)というありさま。赤字続きで、収益の足を引っ張っている。
17年6月期から23年7~9月期まで米国事業の累積赤字は700億円規模に達する。主因は海外での広宣費の高止まりだ。「メルカリアプリのダウンロード数の約3割は米国が占めるが、稼働率は数%にとどまる」(同)とされる。低迷する米国市場のテコ入れを図るため、17年にフェイスブック元副社長で、NTTドコモでiモードの開発に参画した経験を持つジョン・ラーゲリン氏を招聘し、戦略を強化したが、いまだに黒字化のメドは立っていない。
山田CEOは、メルカリの米国市場への挑戦について、日本人初の本格的大リーガーとなった野茂英雄選手になぞらえ、「みな最初は懐疑的だったが、野茂投手はスターになった」と語り、粘り強く取り組む姿勢を堅持してきた。果たしてメルカリは米国でもスター企業になれるか……。それとも米国市場を見限って、思い切って撤退するのか。大規模なレイオフは、そろそろ判断を下す時期に来ていることをにおわせる。