入江工研 入江則裕代表(1)高い技術力、部品は宇宙探査機にも使われ水星に到達
一方、入江社長自身は、父とは違う道を歩もうとした。大学では経営工学を専攻し、コンピューターに興味を持った。
「父を尊敬はしていましたが、機械工学は面白くなさそうで……。物理もあまり好きじゃありませんでした。どうせ兄が継いでくれると思っていましたから」
大学卒業後、大手総合化学メーカーに入社。コンピューターシステム部門でSEとして働いた。しかし、当時は人材不足のため、24時間働きづめといっても大袈裟ではないほどの激務。7年で退職し、命の洗濯を兼ねて家族と南アフリカを旅した。
「そこで世界観がガラッと変わったんです。もっといろいろな世界を見たいと思い、1年間旅行に行ったりして遊びまくりました」
この南アフリカでの経験が、後の入江社長の経営哲学にも大きな影響を与える。(つづく)
(ライター・いからしひろき)