イー・ロジット 角井亮一会長(1)スタッフの働き方と事業の成立は子どもの時に知った
「社員旅行などでパートさんたちと話をするうちに気がついたのです。光輝物流の仕事は、彼女たちの日々の暮らしの中に入り込んでいるのだと。昼休みに一度家に帰り、掃除や洗濯、買い物を済ませるという人が多かったんですよ。やはり物流や倉庫業、とくに父が手がけていたようなきめ細かなサービスを提供する事業モデルでは、職場とスタッフの自宅が近くにあることが大切なのだと、子どもながらに思わされましたね」
この経験は、後にイー・ロジットのフルフィルメントセンター(出荷のための梱包などを行う倉庫)の立地戦略に大きく影響する。角井は、あえて住宅街の近くにセンターを設置することで、地域の主婦層を中心とした安定した労働力の確保を実現している。
顧客の困りごとを的確に把握し、期待以上のサービスを実現すること。そして、それを実現可能な仕組みを構築すること。この2つの重要性を子どもの頃から肌で感じてきた角井の独自の経験が、後にイー・ロジットを業界トップに押し上げる原動力となるのである。 (つづく)
(ライター・市岡光子)