引っ越しシーズンで現場は混乱…「内見できない物件」問題に2つの要因

公開日: 更新日:

 奇妙なことに、賃貸住宅市場では、存在するのに「見られない物件」が増えているという。ネット上には、入居者を募集中の物件は実際に豊富にあるものの、内見できる部屋は極めて少ないのだ。

 都内の賃貸仲介店は、「検索サイトに掲載されている複数の部屋に問い合わせたところ、即入居可能な物件は10%もなかった。他は入居中で、内見もできない状態だった」と現状を語る。

 実は、ここ数年で、こうしたミスマッチが常態化してしまっているという。それが特に顕著になるのが、年明けから続く引っ越しシーズンだ。賃貸仲介店にとって、1月から3月は年間利益の半分以上を稼ぐ最大の商戦期。だが、その繁忙期に実際に内見・契約できない物件の問い合わせ対応に追われてしまっているという。

 この状況を招いた要因は、主に2つある。

 1つは仲介現場での「とりあえず申し込み」の常態化だ。賃貸仲介の担当者が入居の審査落ちを懸念して「念のため複数の物件を押さえておく」よう促すため、入居希望者も気軽に申し込みを入れるようになった。オンライン申し込みシステムの普及がこれに拍車をかけ、複数の物件に同時に手続きを進めることが容易になった。後でもっとよい物件が見つかれば軒並みキャンセルしてしまう。結果、複数の物件が「申し込み中」のステータスとなり、他の入居希望者が検討・内見できない状態が続く。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  2. 2

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  3. 3

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  4. 4

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 5

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  1. 6

    中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か

  2. 7

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  3. 8

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 9

    役者・林与一さん83歳の今も現役「糖尿病家系で甘いモノ好き。血糖値が問題ないのは運動のおかげ」

  5. 10

    囁かれる岸田前首相“再登板”に現実味? 一強時代到来で「安倍超え」に虎視眈々