著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

山下奉文は2.26事件の際、情勢を鋭敏に読み取った

公開日: 更新日:
2・26事件。新国会議事堂付近の鎮圧部隊と戦車。右手には陸軍省、陸相官邸、参謀本部の敷地1936年2月28日か29日のいずれか)/(C)共同通信社

 山下奉文を理解する時に、あえて3つの局面を抽出してその人間像を見ていけばいいように思う。これは山下の人間性が問われた時に、硬直な融通の利かない性格か、それとも実はそれぞれの局面で柔軟性の取れる性格かのいずれかが表れるのだが、図らずも柔軟性のある態度を取れるタイプだという意味であ…

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