韓国メディアが報じた「石破電撃訪朝」の真偽は?
「トランプは1期目の2018年に金正恩と史上初のトップ会談を行い、北朝鮮に対する体制の保証と経済協力、観光開発をエサに核放棄を求めました。日本政府はこれに呼応して、安倍首相が拉致問題の一時棚上げともとれる金正恩との無条件での対話にカジを切った。そして2期目。トランプは就任早々、米朝首脳会談の時と全く同じアプローチで、パレスチナ・ガザ地区の経済観光開発を言い、ウクライナではレアアースの共同開発を停戦合意のカードに持ち出しています。今後、日本はいや応なく、トランプの対北朝鮮政策に歩調を合わせることになるでしょう。果たしてトランプは、金正恩にどんな取引を持ちかけるのか。いずれにしても、日本は拉致問題の“進展”と引き換えに、米国と北朝鮮に膨大な投資を求められることになるでしょうね」とは、外務省OBの見立てだ。
戦後日本の対北朝鮮外交は海部政権下、1990年の金丸-田辺訪朝団の共同宣言で本格的に動き出す。この時、日本政府は日朝国交正常化に向けて、今回のトランプ同様、豆満江開発や食料支援などの経済協力をエサにしたが、核抜きや、米国頭越しの日朝交渉が米国務省の逆鱗に触れ、それが、海部内閣の崩壊や金丸の逮捕失脚を誘発したのは政治の裏面史である。
あの金丸時代との大きな違いは、今回、米トランプ政権そのものが経済協力をエサに米朝交渉を進めそうなことだ。
核や拉致といった問題を横に置いて、石破首相がトランプ構想に器用に便乗できるのであれば、電撃訪朝の可能性は十分あるということだろう。(特命記者X)