今度は覚醒剤…元スポーツ選手に急増する引退後の「自己崩壊」
「Jリーガーはプロ野球選手に比べて年俸が低く、選手生命も短い。例えば、引退後に飲食店を開きたくても貯金すらないケースもある。プロ野球ならば高校時代の先輩のツテで再就職ということもあるが、サッカーは野球ほど上下関係が厳しくない分、先輩後輩のつながりも薄い。J1とJ2を合わせて40ものクラブチームがあるので、JFA(日本サッカー協会)のセカンドキャリア支援も追いつかない。クラブチームを減らすなどの対策を練らないと、犯罪に走る選手がまた出てくるでしょう」
あるプロ野球の編成担当は野球選手の引退後についてこう話す。
「子供の頃から野球一筋で、数万人という観客の前でプレーし、周囲からチヤホヤされる。生活や付き合いもハデになり、そんな生活が当たり前になる。20歳そこそこで銀座の高級クラブに連れていかれておかしくなったのもいる。それが、現役を離れるとファンやタニマチは離れていく。収入だって激減です。そのギャップから鬱屈したものをため込む。プライドが高く、社会に馴染めず、自己崩壊した選手は少なくない」
88年にパ最多の204奪三振を記録し、球宴にも出場した元ロッテ投手の小川博は04年、女性から現金を奪い荒川に投げ込み水死させた。「普通の人」になってからも派手な生活から抜け出せなかったのも一因だ。
引退した選手に寒い冬がやってくる。