報道陣にも見限られ…稀勢の里より早そうな遠藤の綱とり
報道陣にも見限られた。
大相撲初場所9日目に、4敗目を喫した大関稀勢の里(27)。綱とり絶望で気持ちが切れたのか、豊響に立ち合いで突き放されると、そのまま何も出来ずに押し出された。
取組後は手早く風呂を済ませると無言のまま国技館を後に。地下駐車場までついていった担当記者はわずか2人という寂しさだった。
この日の午後に行われた雑誌協会と相撲協会との理事長懇話会で、八角親方(元横綱北勝海)はこう言った。
「プレッシャーかな。昨日(8日目)の相撲も、上手を狙うかおっつけるか、どっちつかずの中途半端。力を出し切れずに負けたのだろう。でも、横綱に上がったとしても同じように苦しい場面はある。これを乗り越えないと横綱は厳しい。苦しい時にいかに勝つか」
八角親方は「私の時代よりも、日本中の期待が大きいから……」とかばったものの、その直後に茫然自失のまま負けたのでは、せっかくのフォローも台無しだ。
日本人横綱はそんな稀勢の里よりも、遠藤(23)に期待した方が早いのではないか。この日は徳勝龍を下し、7勝2敗。ある角界OBは「非常にうまい力士」と言う。
「不利な体勢からでも盛り返し、得意の左四つに右の前褌(まえみつ)を取る形に持っていける技術がある。あとは立ち合いの強さを磨けば、上位陣にもひけは取らないでしょう」