JGTO海老沢会長が描く「男子ゴルフツアー復権」の青写真
「興行の世界ですから、強い選手がいるかどうか、才能のある人が出てこなければ、人気は上がらず、商売として成り立ちません。男子ツアーにとって人材の輩出は一番の課題です。競技団体ですから、タダで試合を開催というわけにはいきません。放映権料と主管料で運営できるようにしていかないといけない。いまのままの状態が続けば、いずれ行き詰まります」
――具体的な戦略はあるのですか。
「スポーツというのは原則、生放送であって、録画放送でやるのは意味がありません。感動シーンやスーパーショットは何度見てもいいものですから、再放送があっても構いませんが、最初は生で放送しなければ面白くありません。生放送なら自然とスポーツの醍醐味(だいごみ)が視聴者に伝わり、(条件面からも)インターネットには負けません。生中継の試合を増やすことで、興行として成り立ちます」
■魅力ある選手が出てくれば注目される
――問題は、見たい選手がいるか、です。
「魅力のある選手が出てくれば、視聴率は上がります。相撲もそうですが、強くて品格があり、何事にも一生懸命取り組み、尊敬できる選手がいれば、人気も上がります。ゴルフ界はスター選手不在で低迷していた時がありましたが、石川遼君、松山英樹君、そして今度はプロ転向1年目の大堀裕次郎君が出てきて、3、4人が競い合うようになればツアーも盛り上がります。野球でも王、長嶋が切磋琢磨(せっさたくま)したように1人じゃダメです。ライバルが必要なのです」