JGTO海老沢会長が描く「男子ゴルフツアー復権」の青写真
――その石川と松山は米ツアーに主戦場を移して日本不在です。今年から海外でプレーする選手に義務試合数も新たに設けました。
「石川君、松山君に5試合以上出て欲しいということです。欧州、豪州、アジアンツアーも7試合とか8試合とか、義務試合数でもめてますよ。松山君の場合、米ツアーのシード権を持ってますから、やる気があればできます。問題は体調ですよ。早く体調を整えて活躍してもらいたいですね。五輪、サッカーW杯もそうですが、もはやスポーツの人気は自国だけでは成り立ちません。日本選手も世界で活躍するのがスターの条件であって、プロ野球、Jリーグと同じように世界に挑戦していくのは自然の流れなのです。ですからいわば日本代表として出場する、マスターズなどの4大メジャーで日本人選手が活躍すれば、ゴルフ界全体が盛り上がり、活性化につながります」
■リオ五輪に向けてレベルアップ目指す
――世界ランク上位の日本人選手が少なく、いまだ“個人商店主的”な感覚のプロが多いようですが……。
「2年後のリオ五輪では国別対抗ですから、せっかくの機会なので、日本人選手のレベルアップを図っていかないといけません。そのためには個人任せではなく、JGTOが率先して選手育成に取り組んでいく必要があります。昨年からオフに宮崎で主だった選手を集めて合宿を行い、今年で2年目になります。当初、選手会は反対していましたが、いまは選手会長はじめ、幹部が中心になって取り組んでいます。時間はかかりますけど、何もやらないで反対していても意味がありませんし、お互いが足の引っ張り合いみたいなことをやっていても仕方ありません」
▽海老沢会長は昭和38年からゴルフを始め、NHK政治部長時代にはベストスコア74(パー73)をマークしている。男子ツアー改革でも、ゴルフの腕前並みに、その辣腕を振るってもらいたい。