マー君 故障再発は「捕手のサインにクビを振る」で防ぐ
田中将大(25)が20日(日本時間21日)、本拠地ヤンキースタジアムのブルペンで2度目の投球練習を行った。スライダー、カーブ、スプリットも交えて35球。
「怖さを感じながら投げているわけではない。きょうはすべての球種を投げられた。どんどん試合レベルの球にしていければいいと思う」とは、練習後の本人だ。
ブルペンで変化球を投げたのは故障後、初めて。週末、フリー打撃に登板、来週はマイナーでの実戦登板が予定されている。傾斜のあるマウンドから変化球を投げ、戦列復帰に向けて視界良好。しかし、田中が今後、実戦でベストな投球を続けるには、その変化球がポイントになるという指摘がある。
■頭脳派捕手ゆえに変化球を多く要求
「タナカが右肘靭帯を痛めた7月のインディアンス戦をたまたま見たんだが……」と、ア・リーグのあるスカウトがこう言った。
「タナカはあの試合でスライダーをやたら投げていた。肘を痛めた原因はスプリットの投げ過ぎなんて声を聞くけど、スプリット以上に負担がかかるのは実はスライダーなんだ。オレも投手だったから経験があるけど、投げるときに指先や手首でひねりを加える分、肘を痛めやすい。当日のタナカは左打者への初球のほとんどが、外角ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるスライダーだった。個人的にはスライダーの投げ過ぎでバチンといったんじゃないかと思ってるほど。そうやってスライダーから入って、2球目に多く投げていたのが勝負球のスプリット。あの試合も含めて、田中は開幕直後からやたら変化球が多い。あれだけ変化球を投げまくったら、そりゃ、肘もおかしくなるよ」