チームの要は外国人選手…“金満球団”阪神が抱えるジレンマ
そんな優良助っ人たちがいる間に、若手選手たちのレベルを上げて、「戦力構成」を徐々に変えていくのがチームづくりとしては理想なのだが、今の阪神にはそれができない。
「今年日本一になれば、ますます生え抜き選手の育成が停滞し、助っ人天国になっていくのではないか」(前出の吉川氏)
だが、ある球団の編成担当は、「阪神はそれでいいんじゃないですか」と言って苦笑する。
「阪神より下位球団のものがエラそうなことは言えないが、選手育成の巧拙というのは確かにある。例えば日本ハムや広島は高卒でも戦力になる選手がボコボコ出てくる。そういう意味では阪神は、育成が上手な球団とはいえない。それでも資金が潤沢にあるからね。Bクラス落ちでファンをガッカリさせることはない」
昨年末、2年総額5億円で再契約を結んだメッセンジャーと、同じく2年総額8億5000万円で獲得した呉の給料は据え置きだが、1年契約のマートンとゴメスに対しても球団は契約更新の方針を固めている。
「日本円にすれば今季のマートンは推定で3億5000万円、ゴメスは同8500万円の年俸といわれている。2人ともタイトルを取ったことで、代理人は大幅アップを要求してくる。おそらくマートンは5億円、ゴメスは2年総額5億円が最低ラインになるだろう。そうなると来季は、4人の助っ人(の年俸)だけで約14億円。今季の阪神の年俸総額が31億5000万円ぐらいといわれていますから、4割以上が助っ人の給料で消えてしまう。ウチでは考えられないですね(笑い)」(前出の担当者)
外野はアレコレ言うものの、助っ人にしこたまカネを使うしか、阪神がAクラスを維持する道はないのだ。