新国立競技場 「高床式スタジアム」で総工費まだ増える可能性
やっぱり、総工費は2520億円では収まらないようだ。1日、新国立競技場の建設をめぐり、民主党の部会に呼ばれた日本スポーツ振興センターの幹部は総工費について、こう言ってのけた。
「契約上は目標工事額という額で、(2520億円は)上限というわけではない」――。要するに総工費がさらに膨らむ可能性は大アリだということだ。財源のメドさえ立っていないのに、総工費がまだまだ増えそうだなんてメチャクチャだ。あるいは、この国のどこかにカネのなる木があるとでも言うのか。
新国立の総工費がベラボーに跳ね上がったのは、政府が巨大な2本のアーチにこだわっているからだ。ゼネコンの見積もりでは、アーチ部分だけで、品質が高く高価な鉄が2万トン近く必要になるというが、ムダな計画はこれだけじゃない。
「実は新国立の建設地は東の神宮外苑側から西の明治公園側にかけ、約8メートルもの高低差があるのです。その高低差を埋め合わせ、起伏のないスペースにするため、一番低い南西部に向かって広大な人工地盤を造り“上げ底”にする計画なのです。人工地盤の広さは敷地面積(約11.3万平方メートル)の大部分を占める見込みで、外苑西通り沿いの600メートルの長さにわたって地盤を支える柱が無数に並び立つ。当然、予算がかさむ要因となり、高速の高架下のような光景は神宮の景観をブチ壊します」(建築エコノミストの森山高至氏)