著者のコラム一覧
児玉光雄追手門学院大学客員教授

47年兵庫生まれ。京大工学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として五輪選手のデータ分析に従事。前鹿屋体育大教授。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

元テニスコーチが危機感 「 第2の錦織は日本からは出ない」

公開日: 更新日:

 もうひとつの注目点は、錦織は日本で成長したのではなく、米国の選手養成機関で鍛えられたという事実である。世界で戦える身体能力とテニスのセンスを持った逸材を、例えば、錦織が拠点としているIMGアカデミーのような海外の優れた選手養成機関に派遣して徹底的に鍛えることが不可欠である。少なくともテニスにおいては、“逸材発掘”と“優れた選手養成機関での鍛錬”のどちらかが欠けても世界の頂点に立つ選手を生み出すことはほとんど不可能である。

 逆に、徹底してこのシステムを構築すれば、5年後の東京五輪には、男女ともに世界ランク100位以内の選手を5人、そのうち2人が世界ランク50位以内を確保することも夢ではないと考えている。

 スポーツ庁が発足し、今後、東京五輪に向けて競技力向上に国がなお一層力を入れることは結構なことだが、ありきたりの方策では、世界の頂点に立てる選手を生み出すことは困難である。

 徹底したスカウティングで逸材を発掘し、優れたプロ養成機関に派遣して鍛え上げる。これこそ今、日本のテニス界に求められる強化策である。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末