由伸監督が「ゼロじゃない」発言 巨人阿部の捕手復帰に現実味
「阿部のポジション? 本人と話をするけど基本は一塁じゃないですか。基本ということは捕手もある? それはゼロじゃないと思いますね」
巨人の高橋由伸監督(40)はこう即答した。
今季から一塁へ転向した阿部の出戻りを「ゼロじゃない」と言う。要するに「ある」ということだ。
一塁へコンバートした原前監督は捕手復帰を「100%ない」と断言。それを開幕早々、急きょ戻すというハプニングがあっただけに、この時期に示唆しておくのはスマートなやり方ではある。
監督就任会見で阿部をキーマンに挙げた。もちろんそれは「4番」として打撃を期待してのこと。ただ、正捕手不在問題は解決していない。ベテランの相川らもいるにはいるが、コーチ陣は来季3年目の小林の育成をテーマの一つに今秋の宮崎キャンプに臨んでいる。高橋監督にとっても、小林が定着してくれるのがベスト。ただ、実力不足の若手を試合に使いながら育てる気もさらさらない。ある投手がこう言う。
「由伸監督の性格は保守的。選手時代に苦楽を共にした阿部さんは、当たり前だけどいつも捕手だった。昨年、急きょ捕手に戻った時、打撃の状態が上向いたことがあった。来春のキャンプまでは小林を叱咤激励しながら、阿部さんにも捕手の準備をさせておこうという狙いでしょう。小林の強肩は球界一だけど、阿部さんがどっしり座った方がチーム全体が落ち着くのも確か。慎重な性格の監督が『ゼロじゃない』と言うなら、本当は完全に捕手へ戻したいんじゃないか。一塁が空けば強打の外国人も補強できるでしょう。阿部さんが開幕マスクをかぶることだって十分あり得ますよ」
阿部は37歳で来季の開幕を迎える。さすがに衰えは隠せないものの、総合力勝負なら、まだまだ小林は相手ではない。新監督はまずは「ゼロじゃない」と言いながら、実は阿部の捕手完全復帰をもくろんでいる。少なくとも、そうみているナインはいる。