プロも高校も…捕手難の深刻
これでは一塁や三塁コーチから動きが丸見え。現在はサインの伝達行為は禁止されているものの、捕手が動くか動かないかの気配は、打者にも察知できる。動けば直球、動かなければ変化球。どっちかが分かれば、打てる確率はかなり上がる。変化球の時も直球同様の動きをしないと球種がバレる。これを甲子園出場校でさえ分かっていない。
最近は少年野球でも捕手は不人気だという。かつて、うまい子は投手か捕手をやったものだが、痛い、怖いなどの理由で捕手が敬遠される傾向があるという。私が横浜高で指導していた時も、捕手の適性があるとみて転向を勧めた選手に「捕手だけはやりたくありません」と断られたことがある。昨年まで巨人の阿部という選手がいたとはいえ、プロにスター捕手がいないと子供もやりたがらない。不人気だからレベルが下がるという悪循環に陥っている。
今季、打率.326でパ・リーグ3位に入った教え子の近藤(日本ハム)は逆だった。中学時代は遊撃手だったが、高校で捕手にコンバート。次第に司令塔として試合をコントロールできる捕手の楽しさにのめりこんでいった。今季は指名打者での出場が多かったが、本人は捕手をやりたいようだ。森(西武)にもいえるが、来季はレギュラーを奪って捕手を子供がやりたいポジションにして欲しい。