リオ五輪チケット売れず…東京五輪“二の舞い”を専門家危惧
東京の物価は世界でも有数の高さ。宿泊施設の不足に備えて民泊の導入が進んでいるとはいえ、大会期間中はホテル代が高騰する。昨年、過去最多の1973万7400人を記録した訪日観光客数をそのまま、5年後の東京五輪にアテ込んでもいいのか。
「ブラジルとは地理的、経済的条件が異なるのでリオ五輪のように深刻な事態にはならないと思いますが」と経済評論家の森永卓郎氏がこう続ける。
「5年後に円高が進んだり、戦争が起きれば話は別ですが、現状では訪日客が激減するとは考え難い。海外からの観戦客は見込めるとは思いますが、それより懸念材料は国内の景気です。安倍政権が来年、10%の消費増税を実施すれば、庶民の買い控えなどが起こり、景気が冷え込む恐れもあるからです。リオほどではないにしろ、国内の景気低迷は東京の集客に影響を及ぼす可能性はあります」
そもそも東京大会は日本国内での関心度が決して高くはない。昨年6月に内閣府が実施した世論調査では「非常に関心がある」と回答したのは、わずか30.5%。競技場で観戦したいかの質問に「ぜひ行きたい」と答えたのは12・2%にとどまっているのだ。
東京五輪組織委は開閉会式も含めた料金設定を平均7700円程度にする方針。家族4人なら3万円を超える計算だ。
56年ぶりとなる自国開催の夏季五輪は庶民からソッポを向かれかねない。