履正社・寺島成輝の父が明かす “ドラ1候補左腕”の育て方
「自分で言うのもなんですけど、厳しく育ててきました。野球のことはとやかく言いません。ただ、生活面において自分でやるべきことはきちんとやれ、とずっと言ってきました。高校に入学してからは、自分の服は風呂に入る前に自分で洗濯するのが日課で、試験前は勉強もしっかりやらせてきました。5段階評価の平均で『4点台後半』を取ったこともあります。まあ、勉強については、1年生のときから『プロに行きたい』と言っていましたし、高校出たら勉強することもないでしょうからね」
母の浩江さん(49)も、寺島には厳しく接してきたという。
寺島が高校2年くらいのとき、母に対して反抗的な態度を取った。すると浩江さんは、そういう態度なら弁当は作らない、と寺島を一喝。それから3カ月間、寺島は通学前に自分で弁当を作らざるを得なくなった。明宏さんは、「ある日、弁当を食わせてもらったら、えらく腕が上がっていました」と笑顔でこう続けた。
「自分も母親も、息子が偉そうなことを言ったら引っぱたきます。今の時代、鉄拳がどうこうと言われますから、あんまり大げさには書かないでいただきたいんですけどね(苦笑い)。どっちかの親が厳しいと、どっちかがフォローに回ったりするご家庭もあるかもしれませんけど、うちはどっちもフォローに回りません。野球の面では、自分で課題を設定し、いつまでに何を補うか、メニューを決めて鍛錬するという環境で、育てていただきました。学校と家の方針は近いものがあると思います。野球でも生活でも、自分に厳しくできないとサボリ癖がついてしまいますから」
明宏さんによれば、「最近は、こちらからとやかく言うことがなくなってきた」とも言う。大舞台で安定して力を発揮できるのは、グラウンド内外で心身を鍛えられてきたからだろう。