得意のクレーで全仏に期待も…錦織圭に“赤土の王者”の壁
錦織圭(27)が右手首の故障で準々決勝を棄権したマドリード・オープン決勝は、第4シードのR・ナダル(30=スペイン)が第8シードのD・ティエム(23=オーストリア)を2-0で破った。ナダルの今大会優勝は3年ぶり5度目。4月のモンテカルロ・マスターズとバルセロナ・オープンも制し、クレーコートで3大会連続優勝となった。さらにマスターズ制覇は30回目でジョコビッチの最多記録に並んだ。ナダルの世界ランクは5位から4位に上がった。
スペイン出身のナダルはクレーコートにめっぽう強く、「赤土の王者」と呼ばれている。モンテカルロ・マスターズは8連覇を含む10度の優勝。全仏オープンも4連覇と5連覇があり、9度も頂点に立っている。15、16年は不調や故障で4大大会制覇はなかったが、左手首のケガから復帰した今季は完全復活したといえる。
錦織も、「クレーが得意」とか「赤土と相性がいい」などといわれている。だが、クレーで行われるマスターズ1000の優勝はない。全仏も15年のベスト8が最高。クレーでのタイトル獲得は、ツアーの格付けが3番目のATP500までだ。今週のイタリア国際のコートもクレー。出場は右手首の状態を見ながら決めるそうだが、「クレーが得意」なんて言ってたらナダルに鼻で笑われる。
ちなみに、錦織の世界ランクは1つ落ちて9位に。ベスト8から落ちたのは14年8月以来のこと。全仏で準々決勝まで上位との対戦が避けられる第8シード以内は厳しくなった。