日ハム清宮“起爆剤起用”の功罪…昇格即HR連発もDHに懸念
「完璧でした。コースは覚えていない。無心でした」
こう力強く話したのが、日本ハムの清宮(19)だ。22日のソフトバンク戦で、2点ビハインドの六回に先発のバンデンハークから一時は逆転となる3号3ラン。1カ月半ぶりに一軍昇格を果たした前日の試合でも本塁打を打っており、復帰即2戦連発だ。
ベンチで若武者を迎えた栗山監督といえば、にやけっぱなし。清宮の昇格には「周囲の大反対を押し切った」と話していただけに得意満面だった。
しかし、この2試合はいずれもDH起用。7月中に発症した右ヒジ炎症の影響で、二軍で実戦復帰後も守備には就いていない。かねて清宮の課題は守りといわれており、一塁守備もこなしていた前半戦は打率1割台で1本塁打。グラブが負担となっていたといわれても反論できない数字だ。
「指揮官としては清宮を起爆剤として、首位西武を追いかけたい。しかし、このままDHを続けると、守備がおろそかになったまま。DH専門には、いくら何でも若すぎますからね。そうした懸念があるからこそ、周囲から『まだ昇格させるべきじゃない』と反対されたのではないか」(球団OB)
もっとも、起爆剤投入でも投壊に歯止めが利かず、4連敗中の日ハム。栗山監督も頭が痛いだろう。