著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

後輩の後塵拝しメジャー挑戦する菊池雄星の悩みを想像する

公開日: 更新日:

 いや、翔平すごいです。165キロ投げるんですから。でも、ボクだって左で158キロ投げるんです。この7キロの差が、縮まらないんです……。

 いや、翔平すごいです。バッターでホームラン22本打つんですから。ボクはホームラン1本も打ったことありません。この差が縮まらないんです……。

 いや、翔平すごいです。野球だけじゃなくて、どんなスポーツやっても超一流アスリートになれるっていうぐらいですから。ボクは野球しかできないんです。でも野球選手ですからいいと思うんです。

 でも、でも、時間はかかるが雄星はすごくなるって、花巻東の監督も言ってくれます。だから、メジャー行きます。どこに決まるか分かりませんが、球場の正面で『ハイ、マイネームイズ、ユウセイ、キク~チ』ってニッコリ笑う感じじゃないです。この差が、どうしても縮まらないです。でも(グスン)ボクはやります。行ってきます!」

 と立ち上がりざま、両手でパタパタと全身を払う。

「後塵を払ってるんです、あはは」

 がんばれ雄星!

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